TECHNOLOGY技術開発

TECHNOLOGY

技術・開発

構造物制振装置(※)

※ 同調質量ダンパー, 英称:Tuned Mass Damper, 略称:TMD

構造物の揺れを抑える技術

構造物には様々な外力(地震、風、歩行外力、交通荷重など)が加わり、その外力に応じた様々な揺れを生じます。
ここで紹介する制振装置はそのような構造物の揺れを抑えるのに非常に有効な手段の一つです。
当社では、各種の制振装置の開発に取り組んできており、着実にその技術を伸ばしてきました。
ここでは、1.カメラ柱、2.歩道橋、3.鋼製煙突および4.高層ビルに対する制振装置を紹介します。


振動制御の概要

制振対象構造物の固有振動数にほぼ等しい振動数を有する制振装置の同調質量ダンパー(Tuned Mass Damper,略称TMD)を設置します。構造物の揺れの発生に伴いTMDも振動します。この時、TMDに設置されている減衰器等において振動エネルギーが吸収され、結果的に構造物の振動が抑制されます。

監視カメラ柱の振動制御

強風時の動態観測結果

台風や季節風等の強風下で監視カメラ柱が振動し、監視システムに誤作動が生じました。TMDを設置することで、カメラ柱の振動を抑制し、システム誤作動の発生を抑制しました。

  • 対象構造物:監視カメラ柱(鋼製支柱)
  • 高さ:約5m
  • 固有振動数:5.55Hz(X),5.63Hz(Y)
  • 減衰比:0.4%(X), 1.05%(Y)

制振装置の概要

タイプ
TMD
制御方向
水平2方向
仕様
  • 駆動重錘:9.9kg (1セット/3段組)
  • ストローク:±10mm
  • 最適減衰比:8.6%
有効減衰比
7.1%(X), 8.3%(Y)

歩道橋の振動制御

歩道橋において歩行者との共振により不快な揺れが生じます。対象が既設橋であることから施工性を考慮し、高欄部分に薄型TMDを設置しました。TMDを設置することで、歩道橋の振動を抑制しました。本型式のTMDは当社の特許技術(特許第3604077)です。

  • 対象構造物:鋼製箱桁橋(歩道橋)
  • 最大支間長:47.7m
  • 固有振動数:1.84Hz(鉛直たわみ1次)
  • 減衰比:0.18%

制振装置の概要

タイプ
TMD
制御方向
鉛直方向
仕様
  • 駆動重錘:135kg/1セット(2セット)
  • ストローク:±50mm
  • 最適減衰比:5.4%
有効減衰比
2.5%

歩道橋の振動制御

イベント会場に隣接する歩道橋が群集歩行者により不快な揺れが生じました。橋桁内部にTMDを設置することで、歩道橋の振動を抑制しました。

  • 対象構造物:鋼製箱桁橋(歩道橋)
  • 最大支間長:44m
  • 固有振動数:2.05Hz(鉛直たわみ1次)
  • 減衰比:0.6%

制振装置の概要

タイプ
TMD
制御方向
鉛直方向
仕様
  • 駆動重錘:44kg / 1セット(8セット)
  • ストローク:±30mm
  • 最適減衰比:5.4%
有効減衰比
4.04%

鋼製煙突の振動制御

鋼製煙突が渦励振と呼ばれる空力現象により振動しました。TMDを設置することで、渦励振の発生を抑制しました。

  • 対象構造物:鋼製煙突
  • 最大支間長:50m
  • 固有振動数:1.57Hz(X,Y)
  • 減衰比:1.27%(X), 1.02%(Y)

制振装置の概要

タイプ
TMD
制御方向
水平2方向
仕様
  • 駆動重錘:240kg/1セット(2セット)
  • ストローク:±95mm
  • 最適減衰比:10.8%
有効減衰比
3.80%(X), 3.34%(Y)

※ニチゾウテック(NTI)とTE Solution Co., Ltd.(韓国、TES)が共同で実施

建物の振動制御

強風時の居住環境を改善するためにTMDを設置しました。人力加振や重錘の強制加振により、建物の減衰状況を計測し、所定の減衰性能を有していることを確認しました。

  • 対象構造物:SRC造建物
  • 最高高さ:95.7m(地上20階)
  • 固有振動数:0.63Hz(短辺方向)
  • 減衰比:1.7%

制振装置の概要

タイプ
振子式TMD
制御方向
水平方向
仕様
  • 駆動重錘:100ton (1セット)
  • ストローク:±300mm
  • 最適減衰比:7.7%
有効減衰比
4.0%

建物の振動制御

強風時の居住環境を改善するだけでなく、地震による荷重(せん断力)低減を目的としてTMDを設置した。重錘の強制加振により、建物の固有振動数を計測し、TMDのチューニングを完了した。

  • 対象構造物:SRC造建物(※台湾・台中市 高層マンション)
  • 最高高さ:158.4m
  • 固有振動数:0.237Hz(X), 0.230Hz(Y)
  • 減衰比:0.98%

制振装置の概要

タイプ
振子式TMD
制御方向
水平方向
仕様
  • 駆動重錘:150ton (1セット)
  • ストローク:±0.6m(X), ±1.35m(Y)
  • 最適減衰比:12.3%
  • 有効減衰比:3.95%

※本プロジェクトにはTE Solution Co., Ltd.(韓国)との共同企業体(JV)として参画しました。

NTIとTE Solution Co., Ltd.との共同施工事例

概要

TE Solution Co.,Ltd. が単独で実施(2018年にニチゾウテックと共同して日本国内向けに改良)

  • 斜張橋
  • 最大支間張:50m
  • 固有振動数:約0.5Hz
  • 設置年:2012年

制振装置の概要

  • タイプ:TMD(4セット)
  • 制御方向:鉛直方向
  • 仕様:駆動重錘 3.25ton

TE Solution Co.,Ltd. 単独施工事例

概要

  • 吊橋
  • 最大支間張:1,800m
  • ケーブル固有振動数:約1Hz〜40Hz
  • 設置年:2015年

制振装置の概要

  • タイプ:ストックブリッジダンパー(120セット)
  • 制御方向:水平方向
  • 仕様:駆動重錘 462Kg+790Kg(1セットあたり)
  • 吊橋ハンガーケーブル周振動対策用

概要

  • アルペンスキージャンプ台タワー
  • 高さ:115m
  • 固有振動数:0.49Hz(X), 0.39Hz(Y)
  • 設置年:2009年(※平昌オリンピック, ジャンプ台)

制振装置の概要

  • タイプ:TMD(1セット)
  • 制御方向:水平2方向
  • 仕様:駆動重錘 25.0ton(X), 23.0ton(Y)